ーーこれからは、意識に入り込んでくるありとあらゆるものごとを書く。
高尚な文化をあまりにも長い時間、むさぼり食ってきたことからくる、一種の愚者の自尊心。
私は口が下痢気味で、タイプライターは便秘気味。
くだらないものでも気にしない。いかに書くかを習得する唯一の方法は書くこと。
考えていることが不完全だからっていうんじゃ、書かない言い訳として不十分。
ーーもっとも貴重なものは生命力(バイタリティ)。・・・意志+精力+やりたいことをやる意欲+失望に「沈没」させられないこと。
アリストテレスは正しい:幸福は目指すものではなく、目指す活動の副産物だ
(1957年。ソンダグ24歳くらいの日記)
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この日記は16歳からはじまる。
16歳で大学入学したその知識への貪欲さと元々の文学の造詣に圧倒されながらも、
新たな人との出会い、知性へ憧れつつも、知性と感性の狭間での葛藤に苛まれる姿、性的な欲求と発見や戸惑い、家族との距離感(「知的には出て行きたかったが、感性的には出ていきたくなかった」)は全く大学1年生の普遍性を感じて、親近感があった。あと内省ばかりしてる日記をはじてるとことか。
がやはり、その考える深度と、芸術への探究心と、偉大な文学/芸術と自分が同じ土俵にたっているという自負から、まさにバイタリティの塊がほとばしっていて、ものすごいエネルギーだった...。
これが16歳...母になるのも早いし、人生が...先を言ってる感じ。この感じで30歳くらいの日記はどんなんだ(←まだ読んでない)
中からほとばしってるんだよな〜隙がないかんじは「前書き」通り、まじめでアイロニーがない感じではあるが、
息が詰まるものではなく、「生まれ直す」過程なので、常に次へ行こうとしてコックピットにのっているスリル・ドキドキが。